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滑れるうちに滑るっきゃない!


立山3日目の朝を迎えました。
何という事でしょう。今日も晴れ。

今年の立山バックカントリーは幸先が良すぎです。

いつも篭りっきりでガイドしていると、どこかで天気をハズす日程が来てもおかしくないけど今んとこは順調です。



ゲストを迎えに行く道も絶景でついつい立ち止まって写真を撮ってしまう。

あとで見返すと同じような写真ばかりだけど何故か撮っちゃうんだよなぁ。

昨夜はちょろっと降雪があって、浄土山の北面のウネウネも幾分かマシになった感じ。

まだノートラックですよ。
誰かいかないかなぁ。



いつもプライベートガイドで依頼して頂いているおふたり。

今回はリーダー不在のため、公募ツアーとなったけど人が集まらず結局プライベート状態となりました。笑



自分達が外へ出ると早くも初日に楽しんだギャラリーバーン方面へと登って行く人達が。

ジョニ夫さん達かな?
ラーメン食いにいくんだなきっと。

あっちも良さそうだよねー。



今回のゲストさんは特に宿に預ける荷物も無いとのことで、早速滑ります。

ちょこっと歩いて短いけどスティープな斜面へ。

まさかのノートラックでしかもええ雪でした♪



連休を前に小屋の荷揚げも大忙しです。



昨日に引き続き、こっちが良さそうなので行ってみることに。

本当は初日にあまり長い行程は取りたくないんだけど、明日は天気が悪そうなので今日のうちに持てる力を出しきっちゃいましょう。



とは言っても今季BC2回目の人もいるし、体調不良になっちゃいけないのでこまめに休憩を取りながら行きます。

それにしても太陽のパワーが強くてジリジリと暑い。

日焼け止めをマメに塗りなおさなきゃヤバそうでした。



雷鳥沢のテント場はトイレを絶賛掘り出し中。
ご苦労さまです!



徐々に奥大日岳と同じ高度になってきましたー。

昨日と打って変わって、降雪があったのと昨夜の冷え込みが弱かったためか雪が柔らかくて歩きやすい。

今日はシールで上までいけそうです。



稜線まで出て一休み。
何度みても良い景色だねぇ。

見渡す限り数える程しか人がいないのも平日ならではの特権よね。

今回はリーダーの休みに合わせて日程を合わせてきたおふたり。なのにそのリーダーが不在なんてどいうこと?

多忙なリーダーは今頃これを見てグヌヌ…となっていることでしょう。笑



奥がいいのは昨日確認済みなので行くことに。

リセットされてないかな〜。



いいじゃないの!

流石にリセットまではされてなかったけど、2ピッチ目い以降もいいはずなんでここでドロップします!



湯沢のオシドリ夫婦、Jガイドも気持ち良さそうに滑ってました!



1ピッチ目。

昨日のトラックが少し残るけどほぼリセット。
雪もうっかりパウダーですよ!



さらに2ピッチ目も長い!



ボトムへ降りてくると流石に抵抗を感じるのでここまで!

めちゃくちゃ大満足な斜面でした!



ここまで来ると剱岳が覆い被さるように迫ってきます。デカイなー。

因みに山頂は右のちょっと低く見えるところ。



剣沢は滑った分だけ登って帰らなきゃならないので、えっちらほっちら行きますよー。



次はあそこも行きないなーなんて話しながらゆっくり登りました。



続いてお帰りラインへ。
昨日はパリッと硬かったけど今日はエントリーからシャバってます!

光もあるからいい感じですね。



平日は遅めの時間でもちゃんと面ツルが残ってくれてました!



時間が遅めなこともあり、ボトムまでノーストップスノーで快適下山。



遠い目で自分達が滑ってきたラインを見つめる今季2度目のBCなゲスト。

実はこの時既に限界を突破していたらしい…



そんな彼に追い打ちを掛けるように雷鳥荘への登り返しという残業です!笑

残業手当はこのモデルのような雷鳥さんではいかが?



いや〜!今日は頑張りました!
カンパーイ!!!

雷鳥荘では至福の一杯が待ってくれていました。

天気が悪いであろう明日の分も出し切ったゲストさんは、このあとお風呂入ってご飯食べたら即寝!笑

やっぱり滑れるうちに滑っとかなきゃね。
おつかれさまでした、よく頑張りました!



二日目は真っ白。
なんも見えません!



ライブカメラではタンボ平は視界が開けていたので行くことに。

昨日までの一ノ越へのトレイルはほぼリセット。



途中、メジロちゃんが寒さに凍えていました。

トレイルの僅かな窪みに隠れていたので邪魔しないように迂回しようとしたらビックリして飛んでいきました。

その後ウインドリップの陰に隠れていたのを確認したので一同ホッとする。笑



なんとか一ノ越に到着。
さっきまで割と穏やかだったのに、ここでは風がボーボー。

小屋はまだ営業していないので小屋の影に隠れて準備します。



その後、少し高度を落とすとガスは晴れたけど風が強い!

風に煽られたくないのでボードは背負わず、パックした雪をツボ足で割りながら東一ノ越へ。

なかなか気が抜けないコンディションだったので写真はありませーん。



さあ、難所を過ぎたところでこれからお楽しみライドと思ったところで事件が!

ボードを深く雪に刺し込み、斜面チェックのため斜面に近寄ったところ猛烈な突風が吹いて自分の横を滑っていく影が…

俺のボードやん!
しかもその瞬間を無意識に激写してました。笑

本当にお恥ずかしい。
ガイドキャリア10年目にして初めての大失態。

過去にゲストがボードを流してしまった経験から、いつもボードを流さないように気をつけてと口酸っぱく言っていますが言えた立場じゃないですね。

自分はしっかり確保したつもりが不十分でした。難所を抜け切った気の緩みか、自然を舐めてしまっていたのかガイドとしての汚点です。

隠したいことだけどこれを教訓に皆さんも気をつけてくださいね!自分だけは絶対大丈夫はないですから!



こりゃ黒部湖まで吸い込まれたかとしばらく行方を見届けていたけどノールの先から出てこない。

ちょっと前に進んで見たら…

あった!!!



ノールまではカチカチ斜面だったので、半ば諦めていたけど運良く途中で刺さってくれていました!

マジでよかった!
ツアーを台無しにするところでした。

一番スティープでいい斜面をツボ足で下りる羽目になったけど、ツアーが続行できることと愛機との再会の方が嬉しかったです。



上で待って貰っていたゲストに「雪は良いですよー」と無線で伝え無事に合流。



その後、よく走るザラメを一緒にライド!

お客さんの滑りが台無しにならなくて本当に良かったよ〜。



長ーいタンボ平を滑りきって、昨日の疲れを引きずるゲストは完全燃焼!
お疲れ様でした!

確かに登りは少ないけど簡単とは言えない行程をよく頑張ったと思います。



下まで降りてくると先程までの強風が嘘のように穏やか。混雑する駅に行く前にカップラーメンタイムを楽しんだのでした。

ハプニングはあったけど、何だかんだと2日間楽しかったですね!

今回の失態は二度とないように気を引き締めて行きたいと思います。これに懲りずにまたご参加ください〜。

ちょっとしたことが命取りのバックカントリー。人間はミスをする生き物だから、細かいことでも日々の行動や習慣が大事になってきますね。

これを反面教師として皆さんも気をつけてバックカントリーを楽しんでください!