今年も雪不足に悩まされ、BC Caravanでは計5本のツアーを泣く泣く中止にしました。
楽しみにしていた皆様には申し訳ないですが、安全が第一なので苦渋の決断でした。
そんな状況下でもツアーを行っていた他のガイドクラブもあったようですが、それはそれ、ウチはウチです。
それぞれにツアーに対する考えも判断基準も違うので、どっちがよかったとは言えないことですし、ツアーを終えた皆さんが満足なさっていたようなので「さすが!」っと敬意を表したいと思います。
そして、そんな雪不足の立山ですが、最後の最後に雪が降ってくれました!
一面真っ白な本来の立山が姿を見せてくれました。
急遽、追加募集したこちらのツアー。
テント泊で1泊2日で行う予定だったけど、29日は風雪が残り視界が悪い。
前日から雪も不安定で微妙なコンディション。
ゲストが到着する前にピットを掘ってスノーパックを確認してターミナルに戻ったら…
登山指導員をしている友人から雪崩事故の一報を聞きました。
この時点で情報が錯綜しており、迂闊に動けない状況でした。
まずは自分のゲストの安全を第一と考え、ゲストをお迎えして停滞を決めました。
依然視界も悪く、この状況下で滑りを楽しむことはできないと判断しこの日のツアーは中止に。テント設営と情報収集や翌日の下見をしてこの日の行動を終了しました。
天候は夕方から夜にかけて回復していき、夜半には満点の星空に。
とても綺麗な星空だったけど、自然の美しさと厳しさを見せつけられて複雑な心境だったのは自分だけじゃないと思います。
そして夜は明け、真っ白な山々が我々を迎えてくれました。
泣いても笑ってもこの日が立山最終日。
翌日から立山は長い冬の眠りにつきます。
この日しかチャンスがないので、もちろん滑ります。だけども慎重に。
まずは小さな斜面から様子を伺うように滑走。
雪は昨日、一昨日までより随分と安定したようにも感じるけど、中にはまだ不安定要素は残っているところも。
周りを見渡しても極端に急斜面をチャージしている人もいなくて、さすがに平日のこの日はある程度『わかっている人』達が多かったようにも思います。
そして自分たちはまだ誰も取り付いていない雷鳥坂へ。
ノートラックの真っ白な斜面が我々を待っていてくれていました!
先日までのチョコチップだらけの斜面とは全くの別物。
あと2週間早かったら…
考えても仕方がないので、春の立山までお預けですね。
最終日で平日のこの日はほとんど人がいなく、静かな立山を味わえました。
まだ時間が少し余っていたので、日射で雪が悪くなりつつある南斜面をあとにして山崎カール方面へ。
そちらを登っていると昨日の事故現場が目に入りました。
現場ではJAN(日本雪崩ネットワーク)のメンバー達が破断面調査を行っており、自分もこの写真を今後に役立てればと思いJANへと提供しました。
亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、事故当事者達の1日も早い復帰を願います。
最後まで無理をせず、軽くパウダーを味わってテント場に戻り撤収。
最後の最後に真っ白な雪を滑ることができました。
ご参加の皆様、ありがとうございました。
また次回のツアーでお会いしましょう。
今回の立山ガイドはいろいろありましたが、山というのはそういうものなんだと改めて気を引き締められました。
今期も安全に十分配慮してガイドを行っていきたいと思います。